にひるなにっき

気の向くままに、気の向かないままに。

青森 2017夏 -4日目 三内丸山遺跡と青森県立美術館-

青森帰省3日目の続き.

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8月17日,青森での4日目は昼過ぎに起きた.

寝ぼけ眼で朝食兼昼食を頂きながら,さて今日はどうしようかと耽る.

明日は昼には青森を発って東京に帰らなければならない.

丸一日使えるのは今日が最後.

ぼんやりと,三内丸山方面に足を伸ばそうかと思っていた.

三内丸山遺跡にはもう10年近く行っていない.

小学生の頃に,夏休みの自由研究で縄文文化についていろいろ調べたのを覚えている.

石を削って勾玉も作った.懐かしい.

すぐ近くの県立美術館は,つい去年も行ったが,あそこは実にいい.今回も入ろう.

予定をひとまず決めて,出かける準備を済ませる.

駅前を目指す.

 

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青森駅 駅舎

三内丸山遺跡と県立美術館には,青森駅からバスで向かう.

駅前の観光案内所で,三内丸山遺跡行きのバスの時刻を尋ねると,まだ少し時間があるらしい.

何もすることがないので,駅前をぶらつく.

そういえば,東京の中央高速にもインプラントの目立つ看板があったような.

 

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駅ビル ラビナ

スタバやマツモトキヨシなんかが入っていて,青森滞在時はよく利用する.お土産も豊富.

 

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青森駅より新町通りを眺める

駅から見える右の高い建物は,アウガ

少し前に,財政難のため,1~4階の商業施設がもぬけの殻となってしまった.

現在は地下の新鮮市場と上の階に図書館,市民施設を残し,ひっそりと佇んでいる.

 

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青森駅 発車標

駅舎に入ってみる.

左上はかつての津軽海峡線

もう使われることはないだろう.

 

駅舎から出る.

そろそろ出発時刻だ.もうバスが停まっていた.

停留所から三内丸山遺跡行きのバスに乗り込む.

 

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三内丸山遺跡 入り口

30分弱で三内丸山遺跡に到着.

昔来たはずなのに,何も覚えていない.入り口こんなだったっけ.

早速,建物に入る.

 

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ねぶた

ここでもねぶたがお出迎え.

ちなみに,三内丸山遺跡は入場無料.

教科書に載るレベルの遺跡がタダとは,逆に申し訳なくなってくる.

今入った建物は『縄文時遊館』と呼ばれ,この建物を経由して,遺跡見学へと向かう.

 

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特別史跡 三内丸山遺跡 石碑

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大型掘立柱建物と大型竪穴住居

少し進むと,このような光景が広がる.

これに関しては,ばっちり記憶に残っていた.

この光景は,忘れるほうが難しい.特徴的な6つの柱は,背が伸びたからか,昔よりも少しだけ小さく見えた.

この大型掘立柱建物は,実は東北新幹線の中から一瞬だけ見ることができる.

東京からの下りはやぶさに乗ったとき,気付いた.

それでも,近くで見るととんでもない大きさだ.

 

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大型竪穴住居の内部

大型竪穴住居は,内部にも入ることができる.

昔は,この大型竪穴住居の中の臭いが苦手で,ずっといると頭が痛くなった記憶があったのだが,今もそれは変わらなかった.

当時はガイドの方に解説をしてもらっていて,この建物に入った時は早く終わらないかなと感じたのだった.

今となってはそれも懐かしく思える.

 

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盛土

土器などの生活廃棄物を捨てていた場所.

 

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大型掘立柱建物の柱穴

ここに大型掘立柱建物が立っていた.

 

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竪穴住居

当時の一般的な住居.地面と同化して草花が生えていた.神秘的.

こちらも中にはいることができる.

 

遺跡全体は,軽く見るだけで1時間はかかる.

私の場合は,1時間半かかった.

もっとゆっくり見たかったのだが,県立美術館も見たかったので見学もそこそこにして切り上げた.

昼過ぎから行動してしまったことが悔やまれる.早起きは三文の徳である.

時間に余裕を持って訪れることをおすすめする.

 

このあとは,三内丸山遺跡から歩いてすぐの,青森県立美術館に訪れた.

私は奈良美智の作品が好きなので,青森に来ると毎回,県美に訪れている.

 

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あおもり犬

基本的に美術館なので,写真撮影はNG.

この奈良美智『あおもり犬』は例外的に撮影OKなので,載せることとする.

奈良美智をはじめ,板画で有名な棟方志功ウルトラマンのデザインを手掛けた成田亨など,青森ゆかりの芸術家の作品が多く展示されている.

他にも,シャガールの『アレコ』が有名で,私も気に入っている.

全4作品からなる『アレコ』のうち,県美で常設されているのは第1,2,4幕なのだが,今年の4月25日から,第3幕をアメリカの美術館から借用して展示している.

前回訪れた時にはまだ見ることができなかったので,今回ようやく見ることができたのだ.

第3幕の借用は2021年3月までを予定しているらしいので,まだ何回か鑑賞の機会はありそう.

 

結局,2時間以上,美術館にいた.何回来てもいい.また来よう.

 

帰りも同様に,バスで帰宅した.

三内丸山遺跡の停留所まで戻らずとも,県立美術館のすぐ近くにも停留所があるため,アクセスも良好だ.

 

これにて,青森帰省4日目を終えた.あとは明日,東京に戻るのみ.

昔は,東京から青森に帰るのがめんどくさくて,かなわなかった.

それでも,青森から東京に戻るとき,若干の寂しさは感じていた.

今もそれは変わらない.なんとなく帰りたくない気分で1日を終えた.

 

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夜の青森駅

以上.

2017夏 新潟より“SLばんえつ物語号”にて会津若松を目指す

9月9日,朝7時過ぎ.

私は新潟県新潟市中央区新潟駅にいた.

 

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朝,新潟駅にて

 

8月下旬から東京に帰っていない.

8月14日から18日まで青森に帰省していた私は,東京で19日,20日と僅かな時を過ごし,翌日,再び東京を出た.

8月21日は仙台,22日は山形,23日は新潟と点々とし,そして24日から翌月8日まで,新潟のとある自動車学校で免許取得のため合宿をしていた.

大学4年生でありながら,未だに自動車免許を持っていなかった.

一度仮免に落ち,2日の延泊を経たのち,9月8日に無事卒検に合格した私は夕方,自動車学校を出て,新潟駅前のホテルを予約し,1泊した.

 

そうして,9月9日に至る.

2週間の間,田んぼと田んぼの間に挟まれた宿舎に閉じ込められていた私は,地方都市のど真ん中にいた.

土曜日だった.

行きは高校の友人2人と一緒だったが,そのうち1人は私と一緒に仮免に落ち,先に卒業したもう1人はすでに東京に帰っていた.

一緒に落ちた友人とは一緒に卒業することができた.

その友人と一緒のホテルに泊まったのだが,今日,これから東京で用事があるようで,朝早くチェックアウトを済ませ,始発の鈍行で東京へ帰ってしまった.

別に1人そのままホテルで寝ていても良かったのだが,自動車学校を卒業し,晴れて自由の身となった私は開放感に満ちていた.

起きて,今日1日どこかへ出かけよう,そう思ったのだった.

 

東京へ帰る友人をホームで見送った後,駅前のヴィドフランスで朝食を食べた.

地方都市の駅ビルに必ずと言っていいほど入っているヴィドフランスは,どこか私を安心させた.

ひとまず新潟駅の周辺を散策することにした.

新潟駅には8月23日にも降り立ったのだが,その日着いたのは夜遅くでホテルに泊まるだけだった.

新潟で観光らしい観光をまだ1つもしていなかった. 

 

徒歩圏内で観光できるところを探した結果,萬代橋を見に行くことにした.

スーツケースに3週間分の荷物を詰め込んでおり,移動が大変だったが,萬代橋まで歩いた.20分か30分かかった.

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萬代橋

萬代橋が何のために存在し,そして,なぜ観光資源となっているかについて私は何も知らなかった.ちなみに今調べてもあまり良くわからなかった.

着いて,橋を見て,もと来た道を引き返した.帰りはバスを使った.

 

再び新潟駅前にいた.

新潟駅前ですることはもうないように思えた.

余った青春18きっぷでどこか行こうかと思ったのだが,中々最適解が見つからない.

ヴィドフランスに戻り,時刻表をペラペラめくり,いろいろ考えた.

結果,とりあえず,磐越西線経由で東京に戻ることにした.

途中の駅で降りて気ままに帰ろう,そう思った.

 

ホームに向かう最中,

電光掲示板に目が行った.

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SLばんえつ物語 9:30 会津若松

これだ!!

磐越西線で土休日に運行されているSLばんえつ物語号.

ちょうどよかった.快速なら,指定席券を買えば青春18きっぷを使って乗ることができる.

 

急いでみどりの窓口に向かう.

そこそこ並んでいたため,10分ほど待つ.

列車があっても,指定席に空席がなければ,全車指定席のばんえつ物語号には乗車できない.空席を祈りながら列に並んだ.

指定席券はあった.後々知ったことだが,ツアー客用の貸し切り車両のおこぼれ席だった.しかも窓際.ラッキーだった.

 

時間までNEWDAYSで食料を買い込む.

なにせ終点の会津若松までゆっくり4時間かけて向かう列車だ.

車内販売もあるが,一応念のため.

 

青春18きっぷで改札を通って,ホームに向かうと,しばらくして入線してきた.

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客車を牽引する機関車

EF81がばんえつ物語用の12系客車を牽引してきた.初めて見る.

奥にC57がいる.先頭車両に向かう.

 

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SLばんえつ物語号

 ワクワクしてきた.ワクワクして写真に人の腕が入り込んでるのもわからなくなってしまった.

 

乗車.

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車内

落ち着いた車内だった.

まもなく新潟駅を発車した.

ちなみに,このとき車両には私の他に3人しか乗っていなかった.

ハイケンスのセレナーデとともに車内放送が流れる.

 

しばらくして新津駅に到着.

新津駅では,大量のツアー客が私の乗る車両に乗車してきた.

またたくまに席は埋まり,賑やかになった.

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新津駅にて駅弁の立売

新津駅では駅弁の立売がある.私も買った.

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SLばんえつ物語弁当

駅弁の立売は初めての経験だった.良い光景に出会えた.

しかし,新津駅のホーム標は,行き先がX字になっていて面白い.信越本線羽越本線に,磐越西線が通っている.

 

新津駅を出発したSLばんえつ物語号は,途中駅で様々な催しが行われる.

ホーム上で行われるイベントには,今回どれも参加しなかった.

走行中の車内でも,参加型のじゃんけん大会などが行われた.

これには参加したが,全てダメだった.指定席券を取ることで運を使い果たしたのかもしれない.

それ以外は,車内でずっと車窓を見て座っていた.時には寝落ちた.

車内販売でビールを買いに席を立ったのと,お手洗いに行ったことを除いて,ずーっと座っていた.

気付いたら,終点,会津若松駅に着いていた.

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会津若松駅にてお出迎え

ただ,乗って,車窓を見るだけで非日常感を存分に楽しむことができた.

会津若松駅からは,残りの郡山駅まで普通列車磐越西線に引き続き乗車.

郡山駅からは東北本線で東京を目指し,帰宅した.

実に3週間ぶりの東京だった.

 

将来,新潟駅の高架ホーム完成により,SLばんえつ物語号は新津駅発着となるらしい.*1

今回,新潟駅を発車するこの列車に乗ることができ,いい経験となった.

しかし,全体的に,2週間分の合宿の疲れのため,思うように体が動かず,見て回れなかった.

会津若松では若松城も見たかったのだが,列車の時刻の関係もあって断念した.

次回,訪れる機会があれば,立ち寄りたい.

 

以上.

10日新宿

とあるブックオフにて.

先日訪れた新海誠展で,新海誠村上春樹を愛読していたという話を知った.

知った,というのはニュアンスが違うかもしれない.

“おおよそそうだろうと思っていた”

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ちょっと前の記事で,私が『秒速5センチメートル』に強い思い入れがあるということを書いた.

もちろん秒速の他にも,新海誠の作品には色々思いがある.

前作,『言の葉の庭』において,ユキノの台詞.

「わたしたち,泳いで川を渡ってきたみたいね」

言の葉の庭』より

 これは,村上春樹ノルウェイの森』の作中で使われた台詞だ.

これを発見したとき,ニヤリとした.

ほしのこえ』から続く,退廃的で孤独感に包まれた雰囲気は,どこか村上春樹に通じていた.

ということで,私も少しだけ村上春樹を読む.

 

最初に村上春樹に触れたのは中学2年生か3年生だったか.

個別指導の塾に通っていた頃,文系大学生のアルバイト塾講師に勧められたのがきっかけであった.

中学生と大学生という年齢差の間柄ではあったが,彼とは割に仲はかなり良かったと思う.

何を勧められたかというと,『海辺のカフカ』である.

今思うと,中学生にこれを勧めた当時大学生だった彼は普通じゃない,と今自分が大学生になってようやく気づけた.

何を思って,中学生に『海辺のカフカ』を勧めたのか.未だにわからない.

中二病の促進剤にでもしたかったのだろうか.

 

話を戻そう.

新海誠展にて,村上春樹に関する解説を読んで,最近本を読んでいなかったことに気づく.

何か買って読んでみようかということで,ブックオフに赴いたというわけだ.

しかし,もう買う本は決まっていた.

本屋は,どんな本があるか,何を読むかを探す場所ではなく,予め買うと決めておいた本を買うだけの場所になっていた.

“読みたい本を漁る”役割は,既にインターネットが担う時代だ.

というわけで,『螢・納屋を焼く・その他の短編』という本を買うつもりだった.

どちらかというと小さめのブックオフではあったが,難なく見つけることができた.

 

その本を片手に,店内を物色していると(結局は,本屋に来ると目的もなく色々手にとってしまうのだ),青春18きっぷのガイドブックのようなものを見つけた.

確か,2014年版と書かれていたような気がする.3年前だ.

ペラペラめくってみると,ページとページの間にメモ用紙が挟まれていた.

古本屋ではよくあることだが,前の持ち主の走り書きや栞がそのままになっていることが多い.

今回は売上カードの裏に書かれていた.

10日 新宿 → 伊勢

11日 伊勢 → 福井

12日 福井 14:00 → 金沢 → 富山

13日 富山 早朝 → 高山 → (バス) → 白川郷 → (バス) → 高山 16:00 → 名古屋 → (夜行バス) → 新宿(14日)

初日は伊勢神宮まで丸一日使って移動して,2日目は伊勢神宮の観光,そして福井に移動.福井で1泊.

3日目は福井,金沢と観光しながら,富山を目指す.富山で1泊.

早朝に高山に向かい,バスで白川郷まで行き,観光.夜までに名古屋に着いて,夜行バスで無事東京に帰ってくる.

この当時は金沢-富山間がまだ北陸本線であったため,青春18きっぷで完結した旅程だろう.

これを見て,無性に長旅をしたくなった.数日かけて,北でも,西でもいい,到達地点を2,3決めて,円を描くようにして東京に帰ってくる.

今冬の青春18きっぷの使用開始まで,あと5日.

どこへ行こうか.

飛騨古川へ聖地巡礼をやりに行こうかな.

”2017秋 長瀞紅葉おさんぽきっぷ” -長瀞と秩父-

前記事の続き. 

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長瀞駅に降り立った.時刻は10時半.

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池袋からの乗客で混雑する改札

 

有人改札のため,一人ひとり手作業で改札業務をする駅員.ご苦労様.

この時,2つの改札が用意されており,1つは通常改札.紙の切符を見せて改札を通る.

もう1つがSuicaPASMOなどの交通ICカードを利用してこの駅まで来てしまった乗客のための改札.秩父鉄道ではSuicaPASMOを使えないため,精算が必要.

写真の駅舎左側の改札が通常改札で,私はここから改札を出た.改札まで辿り着けばスムーズに出ることが出来た.

駅舎中央の人だかりが出来ている奥にICカード専用の精算改札がある.

言わずともおわかりだろうが,ICカードを使って来ることはおすすめしない.駅から出るのだけで一苦労である.

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御花畑駅方面

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寄居駅方面

降りたホームからは,線路をまたいで改札に向かう.

 

改札を出て,まず駅前の観光案内所で情報収集をすることにした.

いつものことながら,何も予定を立てていなかったからだ.

行き当たりばったりの旅も面白いものだが,こうも毎回だと流石に考えようである.

幸い,駅周辺には徒歩圏内の観光地が点在していた.

 

まずは観光客の流れに沿って,宝登山神社を目指すことにした.

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宝登山神社参道

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石碑

緩やかな坂を登る.

飲食店が並ぶ参道で,活気も伝わってくる.喫茶店が思いの外多かったのが印象的だった.

 

10分ほど歩いて宝登山の麓に到着.

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宝登山神社入口

参拝.

秩父神社三峯神社とともに秩父三社として数えられているらしい.

秩父神社は何度か訪れたことがあるので,あとは三峯神社だけになる.

アクセスが難点であるが,パワースポットとして有名な三峯神社.いつか行こう.いつか.

 

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帰り道

山麓なだけあって,傾斜が激しい.

ちょっと外れると,人気も少なくなり,神秘的な光景に出会えた.

駅に戻る.

 

そろそろお昼にでもしようかと思ったのだが,ふと,あることを思い出す.

SLパレオエクスプレス

まだ定刻より時間はあるが,空腹を我慢して,見物に行くことにした.

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SLパレオエクスプレス

だいぶ待った.諦めてご飯を食べに行こうかと思ったところで,ようやく来てくれた.

至近距離で走る蒸気機関車は初めてだ.鼓膜が破れるかと思うぐらいの轟音と汽笛だった.

 

見物が終わり,いよいよ空腹を満たすときだ.

お昼ご飯はこちらで頂いた.

ざるうどん.写真を取るのを忘れた.美味しかった.

 

 お腹も満たされ,再び動く気になったところ.

次は宝登山神社とは反対側の長瀞岩畳に向かうことにした.

 

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岩畳通り

長瀞駅を横目に,踏切を渡り,岩畳を目指す途中にある岩畳通り.

長瀞の中で最も賑わっている通りだった.

何かお土産を買おうとも思ったが,持って歩くのも面倒なのでやめた.

そのまま通りを突き進む.

 

急に視界がひらけた.

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長瀞岩畳

おお,すごい.長瀞渓谷.

荒川を俯瞰し,目下には岩畳が連なる.

紅葉も若干時期はずれているが,それでも綺麗.

そしてすごい観光客の数.ライン下りの列もある.

ひとまず荒川沿いに岩畳を突き進む.

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観光客で賑わう

この大自然のなか,岩畳を進む人の流れができていたのにちょっと笑ってしまった.

ここら一帯は,長瀞玉淀自然公園に含まれている.

しばらく歩いていたのだが,一向に先が見えない.

かなり長い距離を歩けるらしい.

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川沿いにどこまでも続く岩畳

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ライン下り

時々,ライン下りの舟が通り,風景が動く.

 

岩畳を1時間ほど歩いて,上長瀞駅の近くまでやってきた.

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月の石もみじ公園

岩畳を突き進むと月の石もみじ公園に出る.上長瀞駅からほど近い.

紅葉の季節ということでライトアップなどの催しが行われているらしい.

この時はまだ日が出ていたので紅葉を見るだけとなった.

近くには埼玉県立自然の博物館があり,休憩がてら入館.

 

埼玉県立自然の博物館は,秩父を地学的に学べる施設.

有名なパレオパラドキシア骨格標本などが展示されている.

以前,ブラタモリ長瀞編を放送していたのを見たので,中々面白かった.

秩父一帯が海に覆われていた時代をわかりやすく知ることができた.

 

博物館を出た頃には日も傾き始めていた.

せっかくのライトアップも見たかったのだが,それまではちょっと時間が空きすぎるので,上長瀞から列車に乗り,移動することにした.

「え?ライン下りは?」という声も聞こえてきそうである.

しかし,今回ライン下りはしなかった.またの機会に.

 

ちなみに,これより写真を殆ど撮っておらず,文章がメインになる.ご了承いただきたい.

 

上長瀞駅に着いた頃,ちょうどSLパレオエクスプレスが再び姿を表した.

今度は熊谷行きらしい.颯爽と過ぎ去っていった.

上長瀞駅から三峰口ゆきに乗り,秩父駅で下車した.

この時乗った列車は,行きの池袋発,長瀞行き直通列車の上り,長瀞発,池袋行きだった.

上りは,15時22分と,16時25分に長瀞を出る.乗車したのは15時22分の列車だった.

 

秩父駅と聞くと,西武秩父駅とほど近いところにあるような駅だと思われがちであるが,全く違う.

前記事で説明したとおり,西武秩父駅秩父鉄道の最寄りは御花畑駅であり,秩父鉄道秩父駅御花畑駅から長瀞方面に一駅先の駅である.

この2つの駅を徒歩で歩くとすると,20分ほどかかると思われる.注意されたし.

 

秩父駅で下車した理由は1つ.

武甲酒造で地酒を購入するためである.

 

 

武甲正宗の純米酒を購入.今夜が楽しみである.

 

さて,おみやげも買い,時刻は17時になろうかという頃.

せっかくなので,秩父神社にもお参りしていこうと思い,秩父駅に戻り,それから線路沿いに歩くことにした.

 

秩父神社は,秩父駅御花畑駅の中ほどにある.

何度か訪れているため,記憶を頼りに向かった.

程無くして到着.お参りをする.

 

いよいよ辺りは暗くなり,歩くのも疲れてきた.

旅と言ったら締めは温泉.

いろいろ調べて,ちょっと遠いが横瀬駅から徒歩10分のところにある武甲温泉に行くことに決めた.

 

 

疲れた体を引きずり,秩父神社から西武秩父駅まで歩く.

せっかくフリーきっぷを買ったのに,あまり使っていないのはこの際もう問題ではない.

 

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横瀬駅

 

西武秩父駅から一駅の横瀬駅で下車.

西武秩父駅から秩父駅一帯は人通りも多く,街灯もあり明るかったのだが,一駅となりに来るだけで,街頭も一気に少なくなり,人気は失せる.

真っ暗な道を歩くこと10分ちょっと,武甲温泉に到着.

 

1時間ほどお湯に浸かり,疲れを癒やした.

湯船の中で,あと残り少ない予定を立てる.

時刻は18時半あたりか.

終電は,自宅の西武線の最寄りで降りればいいわけだから,かなり遅くまである.

ご飯は何処で食べようか.

などと考え,結局.

 

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西武秩父駅

戻ってきた.

横瀬駅に向かう際,西武秩父駅の駅舎が新しくなっていることに気づいた.

駅舎には飲食店がいくつか入っていて,そこで夕食をいただこうという考えに至った.

ついでにお酒も飲もうと企む.

 

食事とお酒を頂いた.

お酒は,秩父の地酒代表,「武甲正宗」と「秩父錦」の二銘柄に,今回が初めて飲む「小次郎」(こちらも地酒)と,期間限定で宮城のお酒「天井夢幻」の飲み比べセットを頂いた.

なぜ宮城なのかという疑問も沸かずに頂いた.飲んだ.

ごちそうさまでした.

 

あとはもう帰るだけである.店を出てすぐの改札から飯能行きに乗り,飯能で池袋行きに乗り換え,帰宅した.

 

最後はグダグダになってしまったが,以上で長瀞紅葉おさんぽきっぷを使った日帰り旅行はおしまい.

 

久しぶりに歩いた1日だった.

1つ心残りなのが,秩父鉄道の車両に一度も乗らなかったことだ.

旧東急の車両などに乗ってみたかったが,これもまたの機会に譲ることにしよう.

紅葉の時期からはだいぶ経ってしまったが,前記事の冒頭に書いた「秩父フリーきっぷ」を使って,秩父長瀞,そして今回は訪れなかったが三峰に旅してはいかがだろうか.

 

以上.

”2017秋 長瀞紅葉おさんぽきっぷ” -池袋から長瀞へ-

西武鉄道秩父鉄道が企画した,”長瀞紅葉おさんぽきっぷ”.

西武線沿線から芦ヶ久保駅までの往復に加え,芦ヶ久保駅から西武秩父駅までと,秩父鉄道御花畑駅から長瀞駅までの区間が乗り降り自由となる期間限定きっぷだ.

期間は10月28日から11月30日まで.価格は発駅に依るが,池袋駅からなら,2000円.

西武線沿線に住んでいながら,長瀞には一度も足を踏み入れたことがなく,せっかくなので今回,このきっぷを使ってみた.

有効期限はもう過ぎているが,平気で本記事でまとめてみる.

(実を言うと,2000円にちょっと足すだけでフリー区間三峰口駅まで伸び,対象施設が割引になる”秩父フリーきっぷ”が通年発売されているのでそっちのほうが使い勝手は…多分いい.本記事はその参考がてらに…)

 

 

11月19日午前7時半,池袋駅

前述の通り,私の自宅は西武池袋線沿線なわけだが,わざわざ朝早く起きて一度池袋駅まで逆戻りをする.その理由は今から説明する.

 

まず,この路線の運行形態について.

西武池袋線は,名称上は東京都豊島区池袋駅から,埼玉県飯能市吾野駅までである.

しかし,運行上は途中の飯能駅で分離される.

飯能駅からは吾野駅を経由し,西武秩父駅までの西武秩父線に直通するかたちで,
池袋駅-飯能駅」と「飯能駅-西武秩父駅」という分離した運行形態を取っている.

このため,池袋駅西武秩父駅を一本で繋ぐ特急を除くと,基本的に池袋駅から西武秩父駅に向かう際は飯能駅で乗り換えをしなければならない.

 

一旦話を戻して,今回の目的地は長瀞である.

長瀞の最寄り駅はその名の通り長瀞駅秩父鉄道の駅である.

長瀞駅に向かう場合,西武秩父線西武秩父駅から秩父鉄道に乗り換える方法と,JR高崎線熊谷駅から秩父鉄道に乗り換える方法が存在する.

どちらも都心からのアクセスは可能だが,西武池袋線沿線住民にとっては前者を選ぶのが自然だ.

この場合,通常は終点の西武秩父駅で下車し,一度ホームを出てから,徒歩で秩父鉄道御花畑駅に向かい,長瀞駅方面の列車に乗る必要がある.

この,西武秩父駅御花畑駅の間は,徒歩圏内なものの,それでも若干離れているため中々めんどくさい.

 

以上の,西武線を用いて長瀞に向かう際の必要条件を洗うと,

・特急を使わない場合,飯能駅での乗り換え

西武秩父駅から御花畑駅までの改札外乗り換え

という2点が問題として挙げられる.

 

ここまで十分に説明したからには,もう薄々お気づきではないかと思うが,それらの問題を解消する列車が存在する.

土休日の7時5分と8時5分,池袋発,長瀞・三峰口行きの快速急行列車である.

4両+4両の8両で池袋を出発し,途中,西武秩父駅一駅手前の横瀬駅にて,4両は長瀞行きに,あと4両は三峰口行きに分離される.

分離後に横瀬駅を出ると,長瀞行きは御花畑駅に,三峰口行きは西武秩父駅に停車し,それぞれ別方向へ舵を切る.

なお,西武池袋線内は急行として,西武秩父線秩父鉄道線内は各停として運用される.

この列車は観光列車としての側面が強く,列車はボックスシートの4000系が充てられる.

西武池袋線西武秩父線,そして秩父鉄道を直通するこの列車は,非常に使い勝手が良く,特急よりこちらを選ぶメリットが多いように感じられる.

 

時を戻して,日曜の池袋駅

7時5分の列車には乗らず(若干寝るのが遅かった),1時間後の8時5分の列車に乗ることにした.

一度改札を出て,長瀞紅葉おさんぽきっぷを券売機で購入し,そのきっぷで改札を通る.

乗車時間は2時間ちょっと.改札内の売店で食料を買い込む.

ホームへ向かうと,既に多くの人がホームで列車を待っていて,中々人気の列車だということを知る.

座れるかなぁ,と不安に思いながら列車を待ち,8時ちょっと過ぎに入線してきた.

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6番線ホームに入線する4000系


池袋でこの白い車体を見ること自体殆どなかったので,中々テンションが上がる.

無事,窓側の座席を確保できた.

重装備の登山姿の乗客もちらほらあり,多くは軽装のハイキング客.

車内は8割ぐらいの着席率といったところか.

間もなく発車し,途中駅にはほとんど止まらず,西武池袋線内を駆け抜ける.

石神井公園駅ひばりが丘駅で降りる姿もあり,普段使いとして利用する人もいることに気づく.

飯能駅スイッチバックし,緑が次第に多くなる.

横瀬駅では長時間停車.切り離しのためである.

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横瀬駅にて

向かいのホームには40000系が停車していた.こちらの車両の10倍だ.

さて,いよいよ秩父鉄道線内に突入する.

横目に西武秩父駅を見つつ,通り過ぎるのはなんとなく快感だ.

分離した三峰口行きに思いを馳せる.

駅名で有名な御花畑駅に停車し,長瀞駅までの車窓を楽しむ.

乗客はほとんど降りず,このまま長瀞まで共にするのだろうか.この列車の存在意義が十分あることを再確認した.

と思ったら,長瀞駅の一駅手前,上長瀞駅で半分ぐらいが降りてしまった.

あとで知ったことなのだが,あの有名なライン下りにはここで降りても行けるらしい.

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長瀞駅ホームと4000系

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駅舎ときっぷ

終点長瀞駅に到着した.

 

疲れたので,後の様子はまた別記事にて.

このあとは,宝登山神社を観光したりSLを見物する.他にもいろいろ.

以上.それでは.

(青森帰省の記事も最後まで書けておらず,申し訳ないです.時間見つけていつか書き遂げます)

新海誠『秒速5センチメートル』という映画が一個人に与えた影響

秒速5センチメートル』は、新海誠によるアニメーション映画である。

 

新海誠といえば、『君の名は。』が記憶に新しいだろう。 

 

秒速5センチメートル(以下、秒速)は2007年に公開。もう10年も昔の映画になる。

 

私が新海誠を知ったのは、高校生の頃だ。

高3の冬。

 

センター入試まで2ヶ月を切っているというのに、阿呆みたいにだらだらと毎日を過ごしていた。

勉強意欲は低く、3年の春に決めた志望校は今ではランクが1つも2つも落ちていて、それなのに合格判定は微妙で、即刻、直ちに勉強始めないとまともな大学にさえ入れないような具合だった。

建前で買った、ほとんど手を付けていない赤本は、棚に並べるだけで満足してしまっていた。

飽きるくらいに毎日パソコンに張り付き、今では何をしていたのかさえ思い出せないほど、どうでもいいことを調べていた。

高校はもう自由登校になっていたし、予定がなければ延々と家でパソコンをいじり、進路の決まった推薦組や就職組に誘われれば、誘われるがままに遊んでいた。

 

クリスマスが過ぎ、大晦日が過ぎ、なおのこと堕落していたが、新年を迎えたあたりで少しは危機感を感じ、図書館に通い始めた。

昔から、家では勉強できない性格だった。

それでも帰ってからはパソコンだった。

 

そんななか、ふと、巡回していたニュースサイトでこんな記事を見つけた。

秒速5センチメートル iTunesで無料レンタル」

これが、まず最初のきっかけだった。

当時のAppleは、年末年始にiTunesから映画を無料レンタルできるキャンペーンを実施していた。

確か、クリスマスあたりで『ホームアローン』を無料レンタルしていて、それからずっとチェックしていた。

"秒速"、昔から名前だけは知っていた。見たことは無かった。

少し調べてみると、"新海誠"という監督がほとんど1人で作った"鬱アニメ"ということがわかった。

若干見る気が起きた。

当時の私は、まどマギとか、WHITE ALBUM2が好きだった。

レンタルして数日経つと見れなくなるらしいので、すぐに見た。

こういうときだけは行動が早かった。

 

家族が寝静まった深夜、ヘッドホンをかけて見た。

全編で63分の映画を、何回も何回も連続で見た。

気づくと朝になっていた。

 

衝撃的だった。

新海誠という人物は何を伝えたくてこれを作ったのか。

絵はすごく綺麗だけど、終始陰鬱とした重い雰囲気で、さらに結末なんて救われない。

"鬱アニメ"とは何か違う。

最後まで見ても感動もしない、別の意味で泣けてきそうだ。

でもその作品を取り囲む空気が、すごく心地よかった。

気付いたら、リピート再生していた。

とにかくハマった。

レンタル期限が切れる直前まで見ていた。

レンタル期限が切れて、それからは、山崎まさよしを聴いた。

馬鹿みたいに何度も『One more time, One more chance』を再生した。

図書館で勉強していても、行き帰りの移動時間も、家に帰ってからも。

山崎まさよしの『One more time, One more chance』を聴くことで、『秒速5センチメートル』を頭の中で見ていた。

いつかネットで「秒速は山崎まさよしのPVでしかない」と貶したように書かれたのを読んだことがあるけど、まさしくそうだと思ったし、でも、自分の中では決して誹謗のそれではなく、褒め言葉だった。

 

それから勉強量は格段に増えた。

曲を聴きながら、同時に勉強もできたからかもしれない。

流石に根を詰めてやらないとまずい時期だったというのもあった。

色々ちょうどよかった。

程無くして受験は終わり、一応行きたいと思える大学には合格できた。

合格発表の日も、変わらず山崎まさよしを聴いていた。

 

そうして現在、その大学に在学しているのだが、何年も経った今でもこの秒速を見てしまう。

大学生になって貯めたお金で最初に買ったものが、秒速のDVDだった。

それを繰り返し繰り返し、見返す。

小説版も買った。

映画の補完としては最適だった。

特に、ラストの描写は素晴らしいの一言であった。

 

普通に生活をしていて、ふと、秒速の世界に沈みたくなることがある。

あの世界が、たまらなくなる。

90年代前半の新宿駅から、後半の種子島、そして00年代の再びの新宿駅

何度も訪れた、岩舟駅の侘しさ。

通い慣れた、新宿駅西口地下広場の喧騒。

豪徳寺、参宮橋、住宅街の情景。

残念ながら、種子島にはまだ行けていない。

63分で、遠野貴樹という人物の人生を垣間見る。

人生と言っても、一生じゃなくて、小学生から、20代までの間だけ。

篠原明里という女性と出会ってから、別れるまでの過程。

新宿駅のコンコースから、彼らの人生を覗き見ているかのように、錯覚する。

 

新海誠の作品は全て見た。何度も見た。

なのに、やっぱり秒速に戻ってしまう。

雲のむこう、約束の場所』が好きだ。『言の葉の庭』だって好きだ。

でも何か足りない。

新海誠は、"秒速で始まって、秒速で終わった"、のかもしれない。

 

正直、新海誠というフィルターで君の名は。を見たとき、微塵も面白く感じなかった。

むしろ、悲しく感じた。

世間はおそらく、エンタメ性に溢れ、SFを意識し、ラブコメであることを、新海誠としてみている。

完全に間違っている。

新海誠はリアリズムだ。

 

高3の受験期に出会ったものというのは、こんなにも後の人生に影響を与えるものなのだろうか。

このままだと、社会人になっても秒速という名の"踏切"に永遠に閉じ込められそうだ。

ジークフリート 青い森

ねぶたの記事を書いていたら、なんだか"青い森"を食べたくなってきた。

青い森といっても、"青い森鉄道"のことではない。

もちろん"青い森公園"のことでもない。

 

青森駅ビルのラビナに入っている、ジークフリートさんの"青い森"だ。

お菓子だ。

 

東京から青森に帰る。

当時は、新青森駅まで新幹線は通っていなかった。

朝、上野から新幹線に乗り、終着の八戸で特急「スーパー白鳥」もしくは「つがる」に乗り換え、青森駅で下車する。

スーパー白鳥青森駅から青函連絡船を通って北海道の玄関口、函館までいくというのに、その手前の青森駅で降りるのはなんだかもったいない気もした記憶がある。

 

とにかく、青森駅で降りる。

すると、まず向かうのがラビナであった。

マツモトキヨシで東京から持ってき忘れたものを買い足したり、晩御飯のお惣菜を買ったりするのと同じように。

ジークフリートで青い森を買った。

東京に帰るときも、ラビナでお土産を買うと同時に青い森を買った。

もちろん自分で食べるためである。

ラビナ∋青い森である。

青い森は生ものなのであまり日が持たない。

東京から帰って数日もしないうちに食べて、また恋しくなる。

次に食べれるのはいつだろうか、と考えて、また食べれる日を待ち遠しく思う。

それからしばらくして、再び青森に帰る。

特急列車の中、途中の浅虫温泉あたりで、もうすぐ食べれる、という思いになる。

青森駅に着いて、ラビナに入り、ジークフリートへ向かう。

 

今でも青い森は大好物だし、これから何年も経っても、青い森は自分の大好物なんだろうなぁと思う。